11月に入ると、胸に造花の赤いポピーの花をつけている人を多くみかけます。
これは1921年にRoyal British Legion(英国在郷軍人会)が、イギリスの人々に深い悲しみを残した第1次大戦の休戦日である11月11日に戦没者とその遺族への募金を集めるために赤いポピーを売ったのが始まりだそうです。
これがきっかけで人々は11月11日を「Remembrance Day」 とし、赤いポピー 花を胸につけるようになり、 それは平和を願う心の象徴となりました。
ポピーの種は地中深くある時は休眠状態にあり、踏まれたり、掘り起こされたりすることによって発芽率が高まり、地表に出て花をつけるそうです。
第1次大戦後、最も激戦区だったといわれるフランドル戦線では軍靴で踏み荒らされたことによって、塹壕を作るために土が掘り起こされたことによって、たくさんのポピーが咲き乱れたそうです。
その光景はまるで、戦いで傷つき、命を失った兵士たちの流した血が大地を一面に赤く染めたように映ったようです。
こういった背景からポピーの花がシンボルになったようです。
それからカナダ軍医であり、兵士としてフランドル戦線で戦った John McCrae(ジョン・マックレア)が1915年に書いた 「In Flanders fields」 という詩も影響しています。

毎年11月11日の午前11 時にホワイトホールにある戦没者記念碑 The Cenotaph(セノタフ ) の周りに王室関係者や政府要人が集まって、戦没者を慰霊する儀式や退役軍人によるパレードが行われます。
11時というのはぞろ目合わせではなく、第一次大戦の停戦協定に署名がなされたのが、11月11日の午前5時、そして休戦協定がその6時間後の午前11時に発効したことによります。
この時間になると学校や銀行やスーパーマーケットなどでも戦争で命を失った人々を追悼して2分間の黙祷を捧げるところが多く、黙祷のために買い物中の人がショッピングの手を休め、道行く人が足を止める姿を目にします。
もう二度とケシ畑が満開の赤い色で染まることのないように、その祈りと願いをこめ、人々は胸に赤いポピーの花をつけます。
犠牲者の死が無駄になってしまうことのないように、戦争のない世の中にしたいものです。
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